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PiPiPiPi…
携帯のアラームで目が覚めた。
いつの間にか眠っていたみたい。
「入学式かぁ…」
目を擦りながら、重い足取りで1階に下りた。
「おはよう…」
「おはよう!朝ごはん出来てるわよ」
「今日はやけに豪華じゃない?」
朝からハンバーグが食卓に並んでいるなんて、珍しいというより不自然でしかない。
「今日はみぃ姉の入学式だから、母さん張り切って作ったんだって!」
「あ、雅いたんだ(笑)おはよう」
「いたんだ…ってひでぇし(笑)」
「いいから2人とも早く食べちゃいなさい!
都、スーツ出しといたから、食べたら早く着替えなさいよ」
「うん、ありがとう…」
テレビからは他愛もないニュースが流れている。もちろん、昨日の始末した人のことは「病死」として流れていた。
「この人、みぃ姉が始末した人でしょ?」
いくら家族でも、あまり語りたくない。特に雅とお母さんには…。理由は分かんないけど、汚れた世界には来てほしくないからなのかも。
話題をそらしたかった。朝の楽しい雰囲気にしたかったからわざとらしく雅に意地悪した。
「…いいから早く食べなよ。
じゃないと私食べちゃうよ」
雅のハンバーグに箸をさそうとした瞬間、雅は目にも止まらぬ早さでハンバーグを口へと運んだ。
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