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「会長―っ!」
猛ダッシュでいつもの場所、朱癸のお気に入りの屋上に向かっていた。
「はぁい」
「どわぁっ」
思わぬところから出てきた朱癸の存在に驚き飛び退ける。
「なんでそんなところから出てくるんですかっ!」
「なんでって茅がくるのわかってたし。だったら脅かしちゃおうかなーって思ってね」
よっこいしょと、植木鉢を利用して立ち上がる。
「・・・・暇、ですね。会長」
「副会長が優秀なもんで。そういう茅は忙しそうだね」
「会長が働いてくれないからですね」
「それはいやな上司がいたものねー」
茅のイヤミをイヤミととらずに軽くあしらう。
「えぇ。・・・・・で?どこに行こうとしているんですか?会長」
「保健室までちょっと飲み物強奪にね」
バッチンとウインクをかまして保健室まで駆け出そうとした。だが、茅に首根っこつかまれ、走り出せなかった。
「ち・・・茅さん?」
「さぁ、戻りましょうか、会長?」
にーっこりと有無を言わせない笑顔で微笑んだ。
「・・・・・・はい」
サボりの会長、連れ戻しの副会長
(ねぇ、ちがちゃん。遊びに)(だめです)
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