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「――――ぎ。朱癸!」
「ん・・・・んぅ・・・琴波・・・?」
いつの間にか寝てしまっていた朱癸は琴波の声で起きた。
「もー、こんなとこで寝てたら風邪引くよ」
「・・・・・今ね、桜の精霊とお話したの!」
「・・・・・寝ぼけてんのか?」
「違うっ!マジな話っ!私にずっとこの木を好きでいてって言ったんだから」
「・・・・・」
一同は困ったように顔を見合わせた。
「会長・・・・」
茅は哀れんだ目で朱癸を見た。
「茅までー。本当のことなんだってばぁっ!」
さぁっと風が吹いた。
朱癸たちの後ろで、桜の花びらが踊るように舞うのだった。
[――――――約束、だからね]
優しく囁かれた言葉は誰に聞かれる訳でもなく、静かに消えていった。
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