出来心

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トントン 「ねぇねぇ」 「え、な―――」 ぷに 「やーい引っ掛かった~♪」 「ひっどーい!!」 「……………」 楽しそうだなぁ。 【出来心】 トントン 「弁丸さま、」 「ん、なんださす」 ぷに 「…………」 「………………」 「…………」 「………や、やーい、引っ掛かったー」 「…………」 そんな、ぽかんてしないでくださいよ。 「……………………!」 え、なにそのキラキラした目。 「佐助が某に話しかけてくれた!!」 「え、」 「お前はいつも某が呼ばない限り出て来てくれないからな!」 「そう……でしたっけ」 「そうだぞ。それで、引っ掛かったとは何のことだ?」 「あー、その、この」 ……まずい。 なんかすっごい恥ずかしくなってきた。 てゆーか上司にこんなことしちゃうなんて、俺様どうしたの一体。 「じ、侍女たちが」 「侍女が?」 「遊んでいたのを見まして……肩を叩いて、振り返る相手の頬をつつく、と」 「ああ、それで“引っ掛かった”か!」 「……………はい」 あああ、まずい、超恥ずかしい。 「そうか、では、某は佐助の悪戯に引っ掛かってしまったわけだな!!」 「……………そうですね」 う、わ。 笑顔が眩しいって。 でも、少しだけこの甘い上司の気持ちが分かったような気がする。 上司と部下が仲良しなのも、あり……かな。 ■□■□■□■□ 元服前の幸村。 佐助が真田に来て一月とかそれくらいの話。 多分弁丸さまは毎日佐助に仲良くしようとか言ってたんだ。 この後から佐助は少しずつフレンドリーになっていくんだとか妄想。
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