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パッと見、いつも通りで何も変わった様子はない家の庭。
でもどこか違う雰囲気。
とはいっても、『感じるだけ』であって、どんな風に違うのかなんて分からないが。
しかし、何もないようで何かがある。と、
爺さんとの実戦組手で培われた、一般的に言えば(?)第六感というやつが俺に告げる。
いきなりだが家の庭は広い。
一昨年に死んだじいさんから譲り受けたこの家、相当な和のテイストなもんで、例えるなら武家屋敷。時代劇に使われても違和感はないと俺は思う。
そんなもんだから、庭も家をもう一戸建ててまだ余るぐらいだ。
そしてその庭の真ん中、目には見えないが、確かにいつもと違う雰囲気の原因となっているモノがあると確信して、近づいた。
「何だこりゃ?」
近づくとそこには、霞か靄か、よく分からないがそんな感じのモノが。
十人に聞きゃ、十人が口を揃えて「怪しい」だなんて言いそうな、謎の物体(?)
しかし何だろう?この懐かしい雰囲気は?
触ってみようと手を伸ばす。
──ソレに触れた刹那。
「な……! え……?」
視界は突然真っ暗になった。
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