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じいさんは口を開く。
「アンタが何をしてたとかを詮索するつもりはねぇ。だから細かいことは気にしないでゆっくり休むといい」
「はい……、それではお言葉に甘えさせてもらいます」
その後、彼女は一週間程過ごした。
見ず知らずの他人の家に一週間もいるというのは、普通に考えるならなかなか気まずくなるだろうが、爺さんはそんなことを気にしないし、俺は俺で、家族が増えたとかなりはしゃいでいた。
だから俺は一週間彼女に甘え続けたし、可愛がってもらった。
そんな優しい彼女にある質問をしたのは、彼女を助けて三日目だかの昼。
「ねぇ、蒼は何をやっているの?」
ちなみに蒼(あお)というのは彼女の名前だ。
「私? 私はね、──魔法使いだよ」
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