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街の中心部に構える魔法学校「カルノール」。
その学校の、校庭の中央に聳え立つ、数十メートル程の巨木の陰で、黒髪の少年が木にもたれかかっていた。そこで少年は寝息をたてながら安眠している。
すると、校舎の方から金髪の女子生徒が、少年に向かって走って近付く。
その女子生徒は蒼雷の肩を優しく揺すりながら言った。
「蒼雷!蒼雷!」
だが、黒髪の少年蒼雷は微動だにしない。深いに眠りについていて、全く声が届いていない。寧ろ――。
「もう食べれない」
女性は、肩を落として小さく呟く。
「起きないや」
今度は蒼雷の体を勢いよく揺すってみる。
すると、蒼雷は起きたようだ。
「ふあああ……」
蒼雷は目を擦るなり、女性に、小さく低い声で言った。
「おはよ玲――」
玲は少し怒った口調で言った。
「おはようじゃない!なんで授業さぼったのよ!」
玲は蒼雷を人差し指で指しながらそう言った、
蒼雷は立ち、背伸びして、Vサインをしながら笑顔を浮かべる。
「だってよう
授業めんどいじゃん」
玲は呆れて溜め息をつく。
「Vサインして、笑顔で言われても困るんだけど」
蒼雷はどこか不思議そうに聞いた。
「ん?そうか?」
玲はやれやれと言わんば肩を落として言う。
「もういいや
めんどくさい……
とりあえず教室に戻るわよ」
蒼雷は目を瞑り、敬礼した。
「アイアイサー」
こうして2人は教室に戻った。
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