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「今回もいい成績だな」
皐月の帳簿を覗き込み,
関心したように晃先輩が言う。
「この調子で頼むぞ!」
「はい。ありがとうございます」
期待してるぞ。と笑顔で言い置き,
先輩は部室へ戻っていった。
「この調子,ねぇ…」
皐月が目を細め,
溜息混じりに言う。
「どういう意味だよ」
皐月の言葉にムッとして返すと,
俺の眼前に
帳簿を押し付けてきた。
「ファールあるけど」
「たった1回だろ?」
「1回でもファールはファール。
気をつけなよね」
呆れ気味に言った皐月は
軽く息を吐くと,
今度は
珍しく真剣な表情で続けた。
「星時は目の前の敵しか見えてないの。
敵は一人じゃないんだから,
もっとフィールド全体を見渡さないと――」
「わかってるよ!」
皐月の言葉を遮る。
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