*部活*

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  確かに 俺は目の前の奴に気を取られて 周りが見えてないと思う。 でも, 試合で感情が高ぶると, どうしても周りが見えなくなっちまうんだ。 正論を言われ, 少々強めな口調で言ってしまった俺なんて気にした風もなく 皐月は続けた。 「何回聞いたかしら,その台詞。  大体あんたはいつも――」 黙り込んだ俺を見て, いつもの調子に戻った皐月が 悪戯に笑い, なにやら小言を言い始める。 顔はいいのに, 性格が少し悪い。 捻くれてる。 <この性格なんとかすりゃモテるだろぉに…> 皐月の小言はあっさり無視し, 溜息と共に胸中で呟く。 と, 不意に何かに気付いたように 皐月の言葉が止まり, 慌てて部室の方へと駆けて行った。
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