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凍てついた空気が肌を刺す様な感覚に、自ずと手も悴み始める。 雪こそまだ降らないが、冬の訪れを感じさせるには十分な寒さだった。 「ねぇ、ホントに大丈夫なの?」 「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。」 普段は余り訪れる事の無い、大きな商店街を練り歩き、買い物をしている最中だ。 「結構買ったなぁ、サクラ、まだ要るものある?」 「………」 「おい、サクラ。遠慮する事なんか……」 ーーーグゥ~。 「お腹空いた。ご飯食べたい。」 顔を赤く染めながら、サクラは言った。 「照れてやんの!」 「う、うるさい!」 アキラの頭に、立派な小山が一つ出来上がった。
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