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・・・・・・なんで?
俺は一回扉を閉めてから考える。
しかし、どう考えても帰ったらタンクトップに半ズボンのオッサンが部屋にいる理由なんか見当たらなかった。
「親父、じゃないよな? 顔がまったく違うし」
それなら親戚か?
いや、それは無いな。
親戚が俺の部屋に来る用事は無いだろう。俺を訪ねる位なら、バファリンのもう半分の構成物質を考えてた方が有意義だ。
そう考え、親戚の可能性を握り潰した時、部屋の戸が開いた。
中からは当たり前の様にオッサンがビール片手に出て来た。
目を丸くして動きを止めた俺の手を掴みオッサンは言う。
「ほら、んなとこでボサッとしてないで。入んな入んな」
「あ、はい」
何か間違ってる事を感じながらも、押しに弱い俺は、そのままオッサンに招かれた・・・・・・自分の部屋に。
この時に俺が考えていた事は、理解策や解決策、思案策ですらない。
ただ、オッサンの手・・・・・・暖かい。
とだけ思っていた。
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