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「……校長?」
男の言葉を少年は繰り返す
目の前に立っているのは全身を黒ずくめの衣で覆われた人物
黒い衣はローブ状の物で頭すらも覆われており、その顔は判別できない
「はじめまして、校長です」
男とも女ともとれる抑揚のない不思議な声で黒ずくめの人物――校長は少年に右手を差し出した
「はぁ……どうも……
!?」
少年は握手に応じようとしたが校長の右手をみて驚きの表情をみせる
だされた右手に肉付きはなく、それはどこからどうみても真っ白な骨であるのだから
校長は少年の驚いた顔を見ると――と言っても顔が見えないので視線も判別できないが
「ほっほっほ」
とゆっくりとした笑い声を上げた
少年は自分が笑い者にされたような気持ちになったのであろう
少し不機嫌な表情をみせる
「お戯れはよしてください、校長」
これまでの校長の行為を一通りみたあと、校長に口を挟むのは三本傷の大男
大男は少年をキッと睨みつけたあとに、こう続けた
「この少年は遅刻したのですよ?この由緒ある魔導学園を!しかも入学式を!!」
男は大きな掌で少年の頭をがっしりと押さえ付けた
その掌は少年の頭を掴めるくらいに大きい
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