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どこまでものびる灰色の壁
頂上にそびえるは髑髏を模した鐘
……話し声は頂上
塔の中から聞こえる
どこか機械的な声
―――――
「貴方達は撰ばれた」
壇上に立つ人間がそう告げた
壇の下にはたくさんの若者
百人は超えるであろう若者達は一言も喋る事なく
ただただ、壇上に立つ人間を一点に見つめる
壇上に立つ者は全身を黒い衣で覆い、姿はおろか性別すらも判別できない
声色もどこか性別という枠を超え、機械的で感情がこもっていない声である
……若者達はというと何やら独特な気配を纏う
壇上の人物と同じような黒い衣を纏う者
あまりにも精巧に造られた人形を両手で抱える者
身長が他の者より頭二つ分程飛び抜ける者
皆、ばらばらの気配を纏う
共通点といえば……
皆、表情はどこか楽しげである
それはおそらく……
「……ええー……」
壇上の人物は話を続ける
「あなた達はたった今からこの『悪兎瑠璃亞魔導学園』
通称“悪魔学園”の生徒です」
壇上の人物は衣から真っ白な肌の手を出し小さく拍手をした
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