6人が本棚に入れています
本棚に追加
少女は少年のように小さく背をかがめ、
少年が少女の方を向くと、ニッコリと微笑みを返した
少女は純白のワンピースに身を包み、
ブラウンの髪は緩やかなウェーブを描いて腰までのびている
身長は、しゃがんでいるため詳しくはわからないが……
少女の顔立ちからしてどうみても
少年より三つ四つは年下である
少年もそう感じたのだろう
少年の表情からは
なんだ?……本当に入学式に来た生徒ですか?
そんな言葉が読み取れる
少女はその表情を読み取ったのか
口を結んで難しい表情をした
「同い年だよ」
そう……言い放って
―とある学校の入学式―
―少年と少女は同じ目的を持った―
少女は指先で自分の耳を指差し、
少年に耳を貸すようにジェスチャーを送る
無論、ジェスチャーで知らせるのは
先程のホールの入口に立つ男性に存在がばれないようにするためである
「考えがあるよ」
少女は耳元で囁いた
最初のコメントを投稿しよう!