髑髏背負う鐘

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 少年は少女の声にそっと耳をかたむけた  少女の吐息が顔にかかる程に 少年は満更でもない表情で耳をすました  少女の言う、作戦とは…… 息を飲む音がする  それが心臓の音と合わさった  ―止まった、時間― 刹那  「あぁー―――!!!!」  「!?」  耳元で起きた爆発のような悲鳴 脳に突き刺さるように響いた叫び声に少年は目眩すら感じる  耳を塞ぐ間も無く与えられた衝撃から やっとの事で立ち直り、顔を上げた ……が、  目の前を覆う暗闇が入口に立っていた男性と気づいた時には……  隣にいた少女は元から存在しなかったかのように ……消え失せていた  「そこで何をしている」  男は地響きのような声で問い掛ける 少年の顔からは動揺の二文字が湯水のように流れ出た  「見つかった……」  ……そう声に出してしまう程に
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