1章

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…バサッ…バサッ… 切られた私の髪がどんどん床に落ちていく。 チョキチョキ… 「イメチェンですかぁ?」 女の人は私の髪を整えながら聞いてきた。 「そうですねぇ。ボーイッシュな感じにしようと思って。」 私は鏡越しに女の人を見ながら言った。 切り終えたのか女の人はハサミを収めて、私の髪を手で整えていく。 「長い髪も似合ってますけど、こういう感じも似合ってますねぇ。」 「ありがとうございます。」 鏡で私の髪を見ると期待した以上の出来映えだった。 女の人は私の周りに落ちた髪の毛を払って笑顔で言った。 「お疲れ様でしたぁー。」 私はレジでお金を支払い外へ出ようとドアを開ける。 チリンチリーン… ドアの上についている鈴が静かに鳴った。 それを聴いた従業員達はドアの近くにいる私の方を向いて頭を下げた。 「ありがとうございましたー。」 私は外へ出て買い物をしに向かった。
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