1章

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私は明日の準備をしながら考えていた。 「うーん。どうやって私が男子寮に入ること母さんに言おうかなぁ。」 私はまだ母さんには寮に入ることしか言ってなかった。 今まで私がやりたいと言ったことに母さんはダメと言ったことはなかった。 でも今回は絶対ダメって言うと思う。 …そして、怒られて入学取り消されて家追い出されてホームレスになって仕事なくて食べる物なくてそのまま… 「…はっ!」 私は頭を横に振って、どんどん嫌な方に向かう考えを頭から消した。 「も、もうここまできたんだから後戻りは出来ないよね!」 私は準備を途中で止めて立ち上がった。 「よし!」 私は気合いを入れて部屋を出た。 部屋を出てとたんに母さんが目の前に立って腕組みをして口を膨らませた。 「もう!遅かったじゃない。クッキー冷めちゃうでしょ!ほら食べて食べて。」 母さんは私の手を掴んでキッチンへ連れていった。 クッキーを目の前に差し出して母さんが私を輝かしい目で見つめた。 私は差し出されたクッキーを取って一口食べた。 「どう?どう?今日はチョコ入れてみたのよ。」 母さんは私が口を開けて感想を言うのを待っている。 美味しかったので「美味しいよ」と言ったら母さんは飛び跳ねて喜んだ。 子供みたいに飛び跳ねて喜んでいる母さんを見て私も嬉しくなった。
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