序章:始まり、そして…

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ゾッとするほど 冷たいソネアの手が、 悠哉の体に触れた瞬間、 頭にソネアの声が伝わる 『私達は本来の能力(チカラ)として  物、人を見る事ができる、  そして人から見えなく  する事もできるの…』 〔私達?俺もなのか?  人から見えないように  できるだって?〕 『そう、ラファイ当然あなたもよ。  元来持っていた能力の  使い方を忘れているだけ、  それ以外の能力もね…』 〔それ以外の能力?〕 『まどろっこしい奴だ、  覚醒されていない限り、  お前はただの不抜けだ、  リーダーとしても認められんっ!  このままでは、10年前の  あの時のお前と  変わらないぞっ!』 〔何っ!10年前だとっ!〕 『あぁ、貴様の両親を俺達が…』 ガタッ! 「もう、病院って  性に合わないわ…」 話す声と共に、 母が病院に戻ってきた。 そして2人の姿は消えた… 〔まだ近くにいるんだろ!  話を聞かせろっ!  お前達は誰なんだっ!  両親を殺したのは  お前達なのかっ?答えろっ!〕 『今は休んで…』 右手に冷たさを感じた瞬間、 脳に語りかけるソネアの声… 意識が遠のく… 母さんの弾んだようにも 聞こえる声が、 心地良く眠りを誘う… そして、また暗闇… そして、また声がする… 「ラファイ起きて!  もう朝だよ!  今日は湖に釣りに行く  約束でしょ!」 また聞き慣れない声、 今度は誰なんだ… ふと目を開けると そこには透き通るような、 蒼い目をしたブロンドの女の子。 歳はそう7、8歳ってとこか… また俺をラファイと呼ぶのか。 〔君はいったい誰な…〕 「もう起きてるって!  うるさいなぁフロイは!」 〔!?、なにっ!〕
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