第1章:異世界

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どういう事だ?俺はラファイって子の中に入ってるって感じなのか? というか、2人の会話はどう見ても日本語ではないのに聞き取れるのはなぜだ? 〔どうなってやがる…〕 「誰っ?何か言った?」 「なに寝惚けてるのラファイ、顔洗って行くわよ!ほらっ早く!」 「おかしいなぁ、今誰かの声がしたのに…」 声が届いた、でも俺はいったいどうなってるんだ… 「あ、昨日水汲み行くの忘れて水が無いや。 フロイ、水無くて顔洗えないから、お願いしていい?」 ん?何を言ってるんだ? 「いつも言うけど、これ楽じゃないんだよ、でも時間無いし今日だけね」 『ウォルト!』 そう唱えた彼女の指先から水が!! 「ありがとう助かるよ。僕にはこれはできないからね」 いや普通、誰にもできない事だ… 「さぁ出かけましょ!」 これは魔法というやつか…?自分の目を疑う。 外へ出ると、間違いなく日本にはない大自然が広がる。 森へと続く道にフロイの手を取り歩いて行く。 鳥が歌い、心地良いこもれ陽が射し込む。 と、突然右手に熊が現れた。しかしラファイとフロイは臆することなく熊に手をかざし 『おはよう、ジェフ!』 と声をかけた。いや声でなく、病室での奴ら2人とのやりとりと同じだ! 『おはよう、ラファイにフロイ』 熊の声なのか?! そうか、声に出さず、相手と会話する方法。以前に胡散臭いテレビ番組で見たぞ!確かテレパシー…、超能力だっ! そう思い付く頃、2人は湖畔に到着し、釣りの用意を終え、湖に糸を垂らした。 何匹かの魚を釣り上げ、楽しげに会話する2人。 「お腹空いたね、ご飯にしない?」 「そうだね、フロイ。よしっ」 と言ってラファイは釣り上げた魚に近くに落ちていた木の枝を刺し、指差しながら唱えるように一言。 『ファイラ!』 次の瞬間、自分の指先からガスバーナーのように吹き出す青白い炎に、悠哉は言葉を失った…
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