1・破瓜の封印

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「だから、買ったんだって、お前に。 本当はさ、来月の誕生日まで内緒にしとこうかなって思ったんだけどさ。こういうのって、自分で買うよりプレゼントされた方がうれしいだろ?」 一息に言って、日和を見る。 「いいの?」 「もち!」 「ありがとう!」 満面の笑みで言うと、日和早速それを首にかけた。 学校の制服である白いブラウスの、Vの字に開いた胸元に、シルバーのハトが揺れる。 「おう、やっぱいいじゃん。似合うよ」 照れ笑いを浮かべる日和の頭を撫でて、英知は自分のカバンと一緒に日和の荷物も掴んだ。 「じゃ、もう少しがんばって歩きますかね」 「うん──あれ? えいちゃん、それ、私の荷物」 「あぁ、持ってやるよ。お前、疲れてんだろ?」 「そんなの、えいちゃんも同じ……」 「オレはなぁ、普段から鍛えてっから大丈夫だよ。今、チョコも食ったしよ。お前の紙袋一つくらいわけないって」 笑顔で言って歩き出す。 「本当に大丈夫?」 早足で追って来る日和をチラリと振り返り、英知はわざと悲しげな顔をしてみせた。 「なに、オレのことそんなに信用してないわけ?」 「そうじゃないけど……」 「なら、問題ナシ!」 笑顔で言って前を向く。
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