鎧武者

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鎧武者

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 私も子供のころに一度フシギな体験をしましたので、ぜひお話させてください。  あれは私が小学校の低学年くらいだったと思います。  当時、母は夕方から夜中にかけて経営していたスナックに毎日出勤しており、  家には父と兄と私の3人だけでした。  ある日私は、母が出勤して行った後くらいから急に気分が悪くなり、熱も出てきました。  父からは風邪かなんかだろう、寝ていれば治るからと言われたのですが  なんせ小学校の低学年くらいですから、体調の悪いのも手伝って急激に母が恋しくなり ました。  いつまでも泣いている私を見るにみかねて、父が車で母を向かえに行ってくれることに なりました。  父が出かけた後、母がもうすぐ帰ってくると思うと(店は車ですぐ近くのところだった ので)安心したのか、  私はいつの間にか自分の部屋のベッドで眠ってしまっていました。  どれくらいたったのかしばらくしてふと目が覚めると、母は帰ってきていて私の横で添 い寝してくれていました。  そして、何気なく隣の兄の部屋へと続くガラス障子の方へと顔を向けたとき、びっくり しました。  いつも寝るときはぴったりと閉まっているすりガラスの障子が人一人分が通れるくらい に開いていて、  そこから鎧武者が半身を乗り出してこちらを見ているのです。  兄の部屋からこちらの部屋に向かって一歩だけ踏み出したような感じで、私のの方をず っと見ています。
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