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気が付くと、鮮やかな眩しい光に包まれていた。
ここは……どこ?
心地好い光だった。
眼を開いているのか閉じいるのか…立っているのか浮かんでいるのか…不思議な感覚だった。
『…リク…ト……』
光の流に任せるように漂っていると、不意に声が聞こえてきた。
女の人の声だった。
声の聞こえてきた方向に、ゆっくりと振り返った。
眩しい光を背にゆらりと人影が映る。その光が眩しくて顔は判らなかった。
ママ…?
出そうとしたが、声に為らなかった。
『……陸…斗……』
人影は手を差し延べてきた。
手に呼ばれるように少年もも右手を出そうとした。けれど、影は陽炎が消えるようにふわりと消えてしまった。
後にはまた、光だけが自分を包んでいた。
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