序章

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― 2 ― 気が付くと、鮮やかな眩しい光に包まれていた。 ここは……どこ? 心地好い光だった。 眼を開いているのか閉じいるのか…立っているのか浮かんでいるのか…不思議な感覚だった。 『…リク…ト……』 光の流に任せるように漂っていると、不意に声が聞こえてきた。 女の人の声だった。 声の聞こえてきた方向に、ゆっくりと振り返った。 眩しい光を背にゆらりと人影が映る。その光が眩しくて顔は判らなかった。 ママ…? 出そうとしたが、声に為らなかった。 『……陸…斗……』 人影は手を差し延べてきた。 手に呼ばれるように少年もも右手を出そうとした。けれど、影は陽炎が消えるようにふわりと消えてしまった。 後にはまた、光だけが自分を包んでいた。
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