第一章 起原

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〈前略、初めてお手紙致します。 無躾に申し上げる事をお許し下さい。やっと貴方を見付けました。近々、貴方の身に変化が起こるかもしれません。 それまで、この“お守り”を持っていて下さい。 かしこ〉 「なんだ……?これ」 不思議な内容の手紙だった。 陸斗は何度も何度も読み返し、便箋を裏に反しても見た。けれども、それ以上の事は書いていない。 それに一緒に入っていた《お守り》……理解出来なかった。 ファンレターじゃないよな……じゃあ、いったい何? 《お守り》を目の前にブラブラさせた。どう見ても、何処の神社にでも売ってそうな、普通の《お守り》だった。 初めてだ……お守り貰ったのなんて。 思って、《お守り》を見つめていた時だった。 ―― キーン 不意に《音》が聞こえてきた。 まただ……うっ!今日は酷い……! いつもより強く鈍い《音》に耳を押さえ、ソファーの上に丸まり過ぎるのを待とうとした。 ―― キーン……ゴンゴン…… 治まれ…止まれ……。 耳を押さえても、頭の中でどんどん強くなり響いてる。息も出来なくなりそうな苦しさに、陸斗は思わず目をつぶる。 一瞬、くらっとめまいのような感覚がした。 カッと頭の中で何かが開いた。瞬間、陸斗の意識は飛んだ。
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