さあ、登校しよう

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「あのさぁ、あたし絹川さんのこと可愛いとか一度も思ったことないから。だって性格ブスだし」 ……しまった!! 言ってからあたしは激しく後悔した。 麻美を見ると、みるみるうちに大きな二重の目に涙がたまってきている。 「笹原さん、ひど…っ…」 とうとう泣き出した。 どうしたもんか… 「おい!笹原あ!なに麻美泣かせてんだよ!」 「笹原サイテー。つか、お前のほうが顔も性格もちょーブスだから」 クラス中からブーイングを受ける。 山本も、 「なになに、麻美ちゃん泣かせちゃったの。」 野次馬のごとくおもしろがっている。 「みんな、麻美は大丈夫だよ。今のは麻美が悪いんだから。笹原さんごめんね」 麻美は手で顔を覆って肩を震わせた。
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