さあ、登校しよう

17/65
前へ
/184ページ
次へ
階段を降りながらいろんな話をした。 初めて会って、名前も知らない人と話すなんて変な感じ…。 つか、学校でこんなに人と話すの久しぶりだし。 「着いたぞー」 保健室の前で下ろされた。保健室は、先生はいないけど鍵は開いていた。 「よっしゃ、俺が手当てしてやるよ」 さっき話しをしながら、明るくてけっこう強引なところがある人だって分かった。 1回決めたら、貫き通すタイプの人。 だから、あえて断らなかった。 湿布貼って、サポーターを巻かれる。 「いたっ!」 「あ、わり。大丈夫か?」 はにかむような笑顔。 「…大丈夫です」 あたしはその笑顔を見るたび、俯くことしかできなかった。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1500人が本棚に入れています
本棚に追加