さあ、登校しよう

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「これでよし、と」 「ありがとうございます」 がっちり固定された足首。これだと歩くのも痛くなさそう。 名前も知らない人だけど、感謝しよう。 「あのさ、ありがとうくらい笑って言えよ。俺が悪いことしてるみたいじゃん。」 は?ありがとうって言葉を普段使わないから、そんなの分かんないよ。 「………」 あたしは黙ってた。 「おーい、もっかい言って。ありがとうって」 しょうがないからもう一度言った。 「ありがとうございます」 「だから!笑って言うの!」 学校で笑ったことないし。そんなん無理だよ…… ふてくされたように黙り込んだあたしに、笑いかけた。 「そんなんだから見た目が暗いんだぜ?」 たぶん、本人は悪気なし。でも短気なあたしはちょっとイラついた。
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