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練習が終わり、チャリに跨がり携帯をチェックしていた時にふいに声がかかった。
「お、夏樹じゃん」
あたしは振り向いて、暗くなってきた夕方時の中、相手の姿を認めた。
ヒロキだ。
たしか、隣の高校だっけ。陸上部がないからクラブに通っている。
爽やかでよく日焼けした元気な男の子。
「おつかれ!」
あたしは笑顔で答えた。
周りが暗くなってきていて、表情はあまり読み取れない。
「おつ。夏樹今から帰り?」
「そうだよ」
「じゃあ一緒帰るか」
「うん、」
あたし達は2人でしばらく黙ってチャリを押しながら歩いた。
「夏樹さ、…その、彼氏とか…いんの?」
急な質問にあたしは驚いた。
「彼氏?いないよ、どうしたの急に」
「いや、なんとなく。つか彼氏いないんだ…意外だな」
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