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ヒロキは何を勘違いしたのか、黙ってるあたしの機嫌を伺った。
「ごめん、言いにくいことだった?」
「え?そんなことないよ。彼氏できないんじゃなくて、つくろうとしないから、あたし」
「…そうなの?」
「うん。恋愛とか興味ないし」
ヒロキが黙り込んだから、チラッと見てみたら、悲しそうな顔をしていた。
…なんで?
ヒロキはチャリに跨がり、あたしに手をあげた。
「じゃ、俺こっちだから。」
「うん。またね」
「あと、最後に」
ヒロキはじっとあたしを見つめて言った。
「夏樹はかわいいと思うよ。恋愛、してみたらいいじゃん。もっと可愛くなるから」
そして笑った。
あたしは何も言えずに、突っ立っていた。
「じゃ、」
そう言ってヒロキは消えていった。
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