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「さっ、ナナちゃん。体洗ってあげるからこっちおいで?」
コトミが髪まで洗い終わらせると、前と同じようにナナの体を洗ってあげようとイスを空けて準備した。
ナナは
「うん!」
と大きな声で返事をし、湯舟を出ようとした。
すると突然
「…うっ…お腹が…」
と言いその場にうずくまった。
「おい!」
驚いたシュンはすぐにナナを支えてあげた。
「どうしたの?大丈夫??」
コトミもナナに優しく声を掛ける。
十秒ほどうずくまったあと、ナナは無理矢理起き上がって
「うっ…、うん。多分大丈夫…。お腹こわしただけだよ、きっと。」
と頑張って笑顔を見せた。
それを見たコトミは
「…そっ、そう?」
と言い、ナナをイスに座らせた。
「うん、大丈夫大丈夫!」
ナナはそう言ってニッコリと笑顔見せた。
「そっか」
その笑顔にはコトミもニッコリとした笑顔で返すしかできなかった…。
しかし、シュンは黙っていることができなかった。
今ので心に引っ掛かりかけていたものがしっかりと引っ掛かってしまった。
「…なぁ、ナナ…」
そしてついに声を出してしまった。
「なぁに?ご主人様。」
こっちを向くナナの笑顔を見て、シュンは心に引っ掛かっているものを全て勢いに任せることにした。
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