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「お前…、ホントは病気…、ヤバイんじゃないのか…?」
本当は言いたくなかった。
できることなら黙ってたかった。
でも、今ここで言わないとナナを失ってしまうような気がして…。
そしてシュンは気持ちをぶちまけた。
「わかってるんだろ?お前だって!!…でもナナは…ナナは優しいから…。本当は自分はめちゃくちゃ苦しいのに…、俺達に苦しい思いをさせたくなくて…。それで…それで…」
ここまでで言葉がつまってしまった。
もう何がなんだかよくわからなくなって、シュンは俯いてしまった。
「………。」
しばらく沈黙が続いた。
コトミはナナもシュンと同じように涙をこらえて俯いているのが見えていた。
そっとコトミの手がナナの背中に触れられた。
するとナナは顔をあげてシュンを抱きしめた。
「ありがとう、ご主人様。」
その一言に、シュンはこらえていた涙が吹き出してしまった。
シュンだけではなかった。
ナナやコトミも同じだった。
「ゴメンね、ゴメンね…」
そう言ってナナはシュンからはなれ、シュンの目を見てこう言った。
「私は大丈夫…。優しいのは私だけじゃなくて、ご主人様やコトミちゃんも一緒だから…。」
そして笑ってこう言った。
「だから…、もうちょっと笑顔で居させて?」
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