2の7『最期のお願い』

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  「私…、私に多分明日はないんだ…。」   「…えっ…!」   ナナの重い言葉にコトミはつい声が漏れてしまう。   「だから、あと10分、ちょっと私の話を聞いてほしいんだ…。」   「わかった。」   明日になったら猫に戻ってしまうのか、それとも他の意味なのか…   とにかく時間がないのだと理解したシュンはうなずいて話を続けさせた。   「7年前の話なんだけど…」   ナナは淡々と話し始める。   「私ね?ご主人様のことが好きだったの。…ううん、今でも好きなの。」   「………。」   シュンは真剣な眼差しでナナの話を聞いた。   「でも私、猫だから…無理なのはわかってた…。」   「………。」   コトミも枕を抱きしめながら、ナナのほうを見る。   「だけどなぜかあの日で1日だけ…、毎日ご主人様と一度でいいから会話してみたいって思ってたからか、人間になれてご主人様と一緒に遊んでもらえて、とっても楽しかった。もっと好きになった!…でも、私は猫だからご主人様とは恋人にはなれない…。」   ナナは呼吸を整える。   「でもあの日!コトミちゃんのことも好きになって…、コトミちゃんもご主人様が好きで…、2人が幸せになれば私も幸せだなって心から思った…。」   「………グスッ…。」   コトミの目からは涙が流れていた。  
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