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「それであの日、コトミちゃんが告白したとき、複雑だけどうれしかったんだ!」
ナナはコトミのほうを見てそう言った。
そして
「でもあの日の答えが…、ねぇご主人様、覚えてますか?」
シュンは答える。
「…うん、コトミのことも好きだけど…、やっぱりナナも好きだから今は答えが出せない。だから待っててほしい。」
シュンはあのときと一文字も変えずにその返事を言った。
「そう、だから私なんかよくわかんなくなっちゃって…、でも私も2人とも好きだから…同じ気持ちかなって。」
「私も…2人とも大好きだよ!!」
コトミはナナの頬にそっと触れた。
「そろそろ、時間だね。」
「うん…」
十二時に近付いていた。
「ねぇご主人様、最後にわがまま聞いてもらっていいですか?」
「なんだ?」
顔を俯けるナナにシュンは顔を向ける。
「…キスしてほしいな。」
上目使いでそうお願いされたシュンは、やり方がわからず、ぎこちない感じではあったがナナと唇を重ねた。
「ありがと。あとコトミちゃん、今回はシュンは譲るから絶対離しちゃダメだからね!?」
「…わかった!」
コトミもナナの最期のお願いを受け入れた。
「よし、今度生まれるときは絶対人間になってご主人様かコトミちゃんに愛されてやる!!」
そう意気込んだナナにシュンは
「約束だぞ!」
と言って頭を撫でた。
「じゃあ、コトミちゃん、いままでありがとう!」
「こっちもありがとう!」
笑顔で言われた言葉にコトミは笑顔で返した。
「そして、ご主人様…大好きですよ…!!」
「ああ、俺も大好きだ…!!」
シュンが笑顔でそう答えた瞬間、ナナは笑顔でまばゆい光に包まれた。
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