エピローグ

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「ただいまー。」   シュンはドアを開ける。   「おかえりなさーい。」   帰宅したときはいつも玄関まで来てくれるコトミだが、今は手がはなせないようだ。   仕方なくカバンを床に置き、靴を脱ぎはじめると   「パパー!」   とナナミが走ってきた。   「おっ、ナナミ。ただいま!」   ナナミを見たシュンはうれしそうにそう言うとナナミは   「パパだっこー!!」   と言って両手を広げた。   「はいはい、抱っこね!」   靴を脱ぎ終わったシュンは右手にナナミを抱っこし、居間のソファーの左側に座った。   ソファーの席はシュンが左側、コトミが右側、そしてナナミが真ん中だと決まっていた。   「この子ホントにパパが大好きね。」   食卓で夕飯をならべているコトミがシュンに言う。   「そうか?ママにだって甘えるだろ。」   シュンはナナミがコトミに甘えているところを何回も見ていた。   「そうかな?」   「そうだって!」   コトミはナナミの顔を見ながら首を傾げた。   「ねぇ…前から思ってたんだけど…この子…」   コトミはシュンの方を見る。   「…ああ、ナナに似てるよな。」   「うん…。」   シュンはナナミを抱っこしながら答える。   「今度は俺かコトミに愛されたいって言ってたしな。」   シュンはナナミの頭をナナにしたのと同じように撫でてやった。   「うん、だから二人でいっぱい愛してあげましょ!」   コトミのその言葉に、シュンは   「ああ!…そうだな!」   と笑顔を見せた。   「パパー!」   そして立ち上がって、二人は食卓に向かった。   ~fin~
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