エピローグ

2/2
1312人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
「ただいまー。」   シュンはドアを開ける。   「おかえりなさーい。」   帰宅したときはいつも玄関まで来てくれるコトミだが、今は手がはなせないようだ。   仕方なくカバンを床に置き、靴を脱ぎはじめると   「パパー!」   とナナミが走ってきた。   「おっ、ナナミ。ただいま!」   ナナミを見たシュンはうれしそうにそう言うとナナミは   「パパだっこー!!」   と言って両手を広げた。   「はいはい、抱っこね!」   靴を脱ぎ終わったシュンは右手にナナミを抱っこし、居間のソファーの左側に座った。   ソファーの席はシュンが左側、コトミが右側、そしてナナミが真ん中だと決まっていた。   「この子ホントにパパが大好きね。」   食卓で夕飯をならべているコトミがシュンに言う。   「そうか?ママにだって甘えるだろ。」   シュンはナナミがコトミに甘えているところを何回も見ていた。   「そうかな?」   「そうだって!」   コトミはナナミの顔を見ながら首を傾げた。   「ねぇ…前から思ってたんだけど…この子…」   コトミはシュンの方を見る。   「…ああ、ナナに似てるよな。」   「うん…。」   シュンはナナミを抱っこしながら答える。   「今度は俺かコトミに愛されたいって言ってたしな。」   シュンはナナミの頭をナナにしたのと同じように撫でてやった。   「うん、だから二人でいっぱい愛してあげましょ!」   コトミのその言葉に、シュンは   「ああ!…そうだな!」   と笑顔を見せた。   「パパー!」   そして立ち上がって、二人は食卓に向かった。   ~fin~
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!