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体育館に入るとすごい人の数だった。
2-1はほとんど真ん中で、しかも五十音順だから僕たちは結構前の方だ。
ちなみに九柳と紅だからやっぱり前後
「…ふぁ~」
先生達の挨拶中ずっと眠くて僕はうとうとしていた。(恵ちゃんはすでに夢の中だったけど…)
「…次は、新任の化学科教諭……ょう夜海先生…」
「…え?」
思わず声を出してしまい、慌てて手で塞いだ。
「ど、どうした!?葵?」
僕の声に驚いた恵ちゃんが起きたらしい
後ろを向いて聞いてきた
「あ…ううん、なんでもないよ」
(今、夜海って聞こえた…まさか夜海兄ちゃんが?)
そんなことを思っていると呼ばれた先生が教壇に立った。
「…紹介を受けました。化学科教諭の神條 夜海です。よろしく…」
ひどく短い挨拶に周りが少しざわめくが、僕はそれどころじゃない。
だって、あの夜海兄ちゃんがいたから…
僕が引っ越すまで一緒に遊んでくれた夜海兄ちゃんが…
「……!」
思わず見つめていると、夜海兄ちゃんが気づいたみたい
すごく驚いたような顔をしていた。
僕たちはしばらく見つめあっていた。
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