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始業式は無事終わり、教室にみんな帰ってきた。
僕は恵ちゃんと、夜海兄ちゃんのことを話ながら歩いてた。
「神條 夜海…あぁ、6年前は高3で葵ん家の隣のでっかい家に住んでた奴だっけ?」
「うんうん、その人。僕、小さいときから一緒に遊んでもらってたんだ」
「…ふ~ん」
ちらっと恵ちゃんを見ると、ちょっと不満そうな顔をしていた。
「昔はいっぱい笑ってたのに…さっきは笑ってなかった…」
「6年のうちに変わったんだろ?葵が気にすることじゃない」
「そうだよね…」
なんだか悲しくなって俯いた。
だから気づかなかったんだ
恵ちゃんが悔しそうに唇を噛み締めているのが…
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