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放課後、部活があるという恵ちゃんと別れて校内を歩いてみることにした。
「…こっちが特別棟かぁ、複雑でわかりにくいなー」
各クラスの教室がある通常棟と特別教室がある特別棟は、廊下が入り組んでいて迷路みたいだ。
早く道を覚えないと大変だと思う。
「音楽室があっちで…この階は理科室かな?」
特別棟の4階には理数系の特別教室が並んでた。
その中の1つに気づいた
『化学科』
クラスプレートに書かれた文字を見ると、夜海兄ちゃんの顔が浮かんだ。
(僕のこと覚えてるかな?)
気になって化学室のドアに手をかけた
(もし覚えてなかったら…)
そんな考えが頭をよぎり、一度は出した手を引っ込めた。
「…また今度にしよ」
そう思い、化学室を後にしようとしたとき
背にしたドアがガラッと開いた。
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