昔馴染編Ⅱ

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昨日の放課後、部活が終わって昇降口に向かった。 俺の隣の下足入れ…葵のところには靴が入っていて、俺は嫌な予感がした。 もし、葵の身に何かあったら… そう思うと同時に俺は校内を走り回っていた。 始めは教室を見て、すぐに全部の教室と講義室らを見て回った。 トイレの個室も1つ1つ見て回ったらかなりの時間が経ってしまっていた。 残りは特別棟 俺が探している間に帰ったのかもしれないと思い、昇降口を経由して行こうと通ったとき、小さな影が見えた。 「あ!葵どこにいたんだよ!探したんだぞ?」 思わず大声を出してしまったが、俺は葵の姿を見てすごく安心した。 葵は校内を歩いていたらしい。 俺に言えば一緒に見て回ることが出来たのにと思う。 それに、葵は自分が迷子になるから心配かけたと思ったようだ。 迷子になるだけならまだましだ 俺が心配したのは、なにかの事件に巻き込まれること… 「あ!恵ちゃんおはよっ」 「はぁ~…おはよ」 あ、思わずため息が… 「ぅん?恵ちゃんどうしたの?」 上目遣いで聞いてくる葵にドキッとした。 (ああ!もう!このかわいさが心配なんだよ!) 心の中で葛藤するが、言葉に出せるわけもなく… 「…その顔、あんまり外でするなよ」 「?」 注意はしてみたが、葵に伝わるわけもなく、変な目で見られてしまった。
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