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「……続けるぞ、その器の結界が薄れたらしく村は中央に依頼を寄越したんだ、そこで当時国で指折りの魔法使いであった俺の父が選ばれた訳だが結界を張り直すには2~3年かかるらしく母の意見でその村への定住を決めた訳だ。
で引っ越したんだが張り直すって言ったよな?結界。
どうやら結界の弱体化は魔力が足ら無かったからじゃなく魔法陣自体がいかれてたらしくてな。
魔法陣を一回解く必要があったんだ、それで魔法陣が解かれてから直ぐだったよ、気付くと全部無くなってた、俺だけっ…俺だけは姉さんに一人しか入らないって器の祠に。」
そう言い終えたロックの顔はとても寂しそうで。
とても悲しく哀しく愛しく見えて、涙が溢れてくるのが分かる。
「おい、なんでお前が泣くんだよ?」
そう言うとミリアの頬を伝う涙を拭う。
「だって…ロックが泣かな…いから。」
涙に目を霞ませながらロックを見据る。
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