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「…おいアゼル。」
ミリアが出ていくのを確認すると終に声を上げて笑い始めたアゼルを睨んみつける。
それに気付いたアゼルは
「あ、説明?
えっとね、まず各学年のAクラスで選出して更に一ヶ月位後に各学年から5人ずつ計15人から選出するから早い内に決めておいて選手はそれをみこして調整するって訳だよ。」
とミリアの説明に付け加える。
それを聞いたロックは少し腑せて考えると何か思いついた様に顔を上げる。
「例えばそんな大舞台にあの『エルミナ』の幹部が2人も居たらどうなると思う?」
「何か動きがあってもおかしくないね盗賊団も政府も皆。」
ロックの言葉を理解するといつもとは違う笑顔を見せる。
「けど。」ロックがこの言葉に反応するのを確認すると。
「ヴァルに聞いたけど君は1年間普通の生活を送りたいって話しじゃないの?」
「それは奴らの動きが沈静化されたからであって奴らを動かす好機があるのなら優先されるのは俺の望みではなくてそれだろう。」
そう言って教室を出て行ったロックは一度もこちらを振り向かなかった。
「『暴王』……か只の少年じゃないか。」
誰もいなくなった教室からいつもより少しだけ寂しそうな笑顔でロックの背中を見守る。
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