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「ねぇ、あそこで捨てられたの?」
「…………ぅん」
「いつから?」
「昨日」
昨日は俺、終電乗り遅れてタクシーで帰ったからな…昨日気づいてあげられれば良かったな。
「そっか…辛かったよね、寂しかったよね」
「……………」
無言のままぼーっとする葵ちゃん。そうとう辛いよ。あんな寒い中大好きな人に捨てられるって。でも、もうその話はしないようにしよう。
「寝よう。俺明日は仕事だから」
俺がそう呟いて立ち上がると葵ちゃんは一連の行動を見つめる。
「葵ちゃんは俺のベッドで寝ていいよ」
「……………葵、ここでぇえよ…」
「ダメ、ベッドで寝て、葵ちゃんはベッド」
葵ちゃんを抱き上げて寝室まで連れて行く。葵ちゃんら大人しく寝室に連れて来られて、ボフッてゆう音と共にベッドに沈んだ。
「おやすみ」
俺はリビングに行こうと葵ちゃんに背を向けるとスウェットの裾を引っ張られた。
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