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龍「ほれ、入んなよ」
詩「………」
地下へと続く薄暗い階段。
その階段の先にある扉を開けると、ギターやドラムの音がいっそう騒がしく響き渡っている。
詩織は部屋を見回した。
さほど広くない部屋に、晴欄高校の生徒と思われる人物が10人程見られた。
「あ、御堂さんじゃないッスか。誰スかその可愛い子?」
御堂と詩織の存在に気付いた一人の男が、御堂に話しかけて来た。
龍「あれだ。例の…」
「…ああ、この子が」
詩「…?」
詩織は何のことかわからなかった。
だが、すごく嫌な予感がした。
龍「…さて、と。おい❗お前ら‼」
御堂は突然、大きな声で一喝した。
御堂の声に反応し、部屋にいた全員が御堂に注目した。
龍「連れて来てやったぞ‼犯され希望の女をよ‼」
詩「…え?」
御堂の一言に、部屋全体がざわついた。
詩織だけが、現状を理解できずに立ち尽くしている。
「その子ヤッちゃっていいんスか⁉」
龍「ああ。使い物にならなくなるまでな」
「マジ⁉俺からヤらせろよ❗」
「バカ❗最初は俺だ‼」
男達が本能をさらけ出す。
そんな情況でも、詩織は冷静だった。
いや、情況がつかめず、冷静にならざるを得なかった。
…オカサレ?オカサレって何?私はどうなるの?
ヤるって…エッチするってこと?
じゃあオカサレって…犯されるってこと?
私は…犯されるの?
「おら❗こっち来い‼」
詩「∑あっ⁉」
詩織が結論に達したその瞬間、彼女は強く手を引っ張られ、押し倒された。
「おら‼大人しくしろ‼」
詩「やめて‼痛いよ‼」
両腕を無理矢理押さえ付けられ、詩織は身動きが取れなくなった。
怖いよ…こんなのヤダよぉ…
青君…助けて‼
青「っあああああ‼」
その時、詩織の心の叫びに応えるように、青葉が扉を蹴破って現れた。
詩「あ、青君‼」
青「詩織‼」
青葉は一目見て情況を理解した。
青「お前ら…詩織から離れろ‼」
龍「落ち着けよ、彼氏」
今にも飛び掛からんとする青葉の背後から、御堂が腕を組みながら話しかけて来た。
青「…御堂ぉぉ‼」
龍「っぜぇんだよ‼」
青「∑がっ⁉」
御堂に飛び掛かった青葉だが、御堂の反撃を喰らい、後方に倒れた。
詩「青君‼」
龍「ウゼェんだよテメーは❗そこで彼女がヤられるとこ黙って見てろ‼」
詩「いやぁ❗やめてぇ‼」
詩織の服が無理矢理破かれる。
俺はまた、詩織を守れないのか?
そしたら俺は…最低の男だ‼
守ってみせる…絶対に‼
その時、青葉の中で何かが弾けた。
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