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龍「…あ?」
御堂は…いや、その場にいた詩織以外の全員が唖然とした。
気がつくと、宙に舞った生徒は地面にたたき付けられ、血まみれで倒れていた。
青葉と思われる人物は、いつの間にか数メートル先に移動している。
何が起こったかわからなかった。
詩織だけが、その瞬間を見ていた。
刹那とも言えるその瞬間、それは数メートル先にいたその生徒の所へ移動し、殴ったのだ。
?「…ククク…ハーッハッハッハッ‼」
それは突然笑い出した。
その表情は、もはや人間ではなかった。
詩「…逃げて…みんな逃げてぇ‼」
詩織は思わず叫んだ。
しかし、時既に遅し。
それは消え…いや、素早く移動し、一人、また一人と殴っていった。
「ぎゃああぁああぁ‼」
「うわああぁー‼」
悲痛な叫びがスタジオ内に響き渡る。
そのつど、薄暗い部屋は赤く染まった。
声は外に漏れない。
故に、助けは来ない。
御堂はその時、初めて本当の『恐怖』というものを知った。
気がつけば、無傷で立っているのは御堂と詩織だけになっていた。
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