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『キーンコーンカーンコーン』
秋「ふぃ~、やっと飯にありつけるぜ💨」
席から立ち上がり、秋人は大きく体を伸ばした。
PM 0:30。
四限目の授業が終わり、昼休みの時間となったのだ。
?「秋~」
教室の扉を開けて、一人の女の子がけだるそうに入って来た。
彼女は三神夏目(みかみなつめ)。秋人の彼女だ。
秋「よう夏目、飯か?」
夏「ん、購買にパン買いに行こ~」
秋「おう。青葉、飯は?」
青「大丈夫。弁当持って来た」
仮に持っていないにしても、一緒に行ったらKY(古い)だろ。
そう思ったが、口には出さなかった。
秋「そか。じゃ、ちょっと行って来るわ」
青「ん、わかった」
夏「ごめんね~青葉君。秋借りるね~」
青「どーぞ」
手を振りながら教室を出る夏目に対し、青葉も手を挙げて合図した。
秋人と夏目は付き合ってもう長い。
ラブラブではないが、決して冷たい訳ではない。
まさに落ち着いた、理想のカップルだ。
かくゆう俺は…
17年間彼女無し。
幼なじみに天然(アホ?)少女はいるが…
とても彼女とは呼べんしな~
詩「青君、ちょっといい?」
そんなことを考えている最中、狙ったように詩織が再びひょこっと顔を出した。
青「∑うわっ❗」
詩「…どうしたの?」
青「いや、なんでもない。で、どーした?」
詩「んとね、今朝神の力借りて占いやったんだけどね」
青「また占いか?好きだな~」
詩織の台詞からわかるように、彼女も普通の人間ではない。
そう、魔女なのだ。
しかも、一流の腕を持つ。
魔女には白魔導師と黒魔導師の二種類がある。
神の力を借りて魔法を使うのが白魔導師。
悪魔の力を借りて魔法を使うのが黒魔導師だ。
彼女は前者、青葉は後者に該当する。
詩「でね、今日の青君占ったんだけど…ちょっと変わった結果が出たの」
青「変わった結果?」
詩「うん…『悪しき力の目覚めが彼の者を戦乱へと誘うだろう…』それが、占いの結果」
青「…どうゆうことだ?」
詩「わからない。だけど、きっと何か良くないことが起きる。そんな気がしてならないの。青君、気をつけてね」
詩織はそう言い、自分の席へと戻っていった。
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