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「あっちーなぁ」
夏の暑さに参っていた俺は机の上でぐたっとしている。
「アキ?だらしないからボタン閉めろよ。」
「むーりー」
いつまでもだらけている俺を見ながら、ため息をつくたっちゃんが一瞬、ニヤッと笑い、小さな声で呟いた。
「あ……加納だ。」
その言葉に俺は急いで机から起き上がりキョロキョロしながらボタンを閉めた。
「あ……ごめん!間違えた!」
そう言ってたっちゃんはニヤニヤしていた。
「……ムカつく。」
俺はダマされたことにムカつきながらも、一応、身なりを整える。
「ま、いいじゃん。身だしなみは男のマナーですから。
あ、そうそう。アキさぁ、夏休みどーすんの?俺、部活あるからあんま遊べないよ?」
あ……そうか。たっちゃんは陸上部に入ったから夏休みは忙しいんだ。
俺は……一応部活には入ったけど、ある意味帰宅部(笑)めんどくさいし。
「あ~。そっか。ま、家でゴロゴロしとくー。部活行かないし。」
俺はそう言ってまた、机にゴロっとする。
「そうか。鈴木はヒマなのか。」
「うるさいなぁ。別に関係ないだろ!」
「ちょっ、アキ……」
「鈴木。お前、夏休みは私の手伝い決定な。」
「え!?」
俺は急いで顔をあげると、担任が立っていた……。
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