疾風の襲撃者vs漆黒の獣戦士

6/16
前へ
/358ページ
次へ
麗花 「仕方ない……。」 大和 「?」 ガッ!!と俺の腹を麗花が魔剣の柄でブッ叩く。 何の予告も無しで。 大和 「何……すんだ……。」 麗花 「気絶させんの。気絶したらカードの能力が解ける場合があるんだ。」 大和 「気絶……?痛いだけじゃねぇか……。」 麗花 「アレ?映画とかだと上手くいくのにね。じゃあ次は後頭部逝ってみよー。」 大和 「殺す気か……?」 腹を抱えてうずくまる。 鳩尾にヒットしたらしい。 なぜか麗花は嬉しそうだが……。 麗花 「あ、カード回収しないと。」 倒れている男に駆け寄る。 さっきの一撃でジャングルジムにめり込んでいた。 麗花 「あった。アイツのカードだ。」 大和 「腹痛い……。」 麗花 「もう。男なんだからしっかりしなさい!」 大和 「誰のせいだと思ってんだ……。」 つくづく麗花を助けたのはミスだったんじゃないかと思う。 コイツは一度、他人の痛みを知るべきだ。 麗花 「……で、どうする?」 大和 「何がだよ……。」 麗花 「今帰ったらおばさん達に見られちゃうし……。」 大和 「ああ……大騒ぎしたもんな。」 派手にやってしまった。 窓ガラスは粉々だし、窓枠に至っては完全に粉砕。 麗花 「だから……一旦本部に帰ろ。」 大和 「本部?」 麗花 「話はそこで。博士が動いてくれてたら大和のカードもあるかもよ?」 大和 「そうか……今は豹なんだっけ。」 麗花 「それと……戦士になった理由。聞かせてもらうからね。」 ……言えない。 麗花を守ろうとして……なんて絶対に言えない。 麗花 「電車やバスは……今の大和じゃ無理か。」 大和 「豹が乗ってもいいんなら大丈夫だな。」 内心……ワクワクしてはいた。 あの退屈な日常から抜け出せたのだ、と。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2569人が本棚に入れています
本棚に追加