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麗花 「仕方ない……。」
大和 「?」
ガッ!!と俺の腹を麗花が魔剣の柄でブッ叩く。
何の予告も無しで。
大和 「何……すんだ……。」
麗花 「気絶させんの。気絶したらカードの能力が解ける場合があるんだ。」
大和 「気絶……?痛いだけじゃねぇか……。」
麗花 「アレ?映画とかだと上手くいくのにね。じゃあ次は後頭部逝ってみよー。」
大和 「殺す気か……?」
腹を抱えてうずくまる。
鳩尾にヒットしたらしい。
なぜか麗花は嬉しそうだが……。
麗花 「あ、カード回収しないと。」
倒れている男に駆け寄る。
さっきの一撃でジャングルジムにめり込んでいた。
麗花 「あった。アイツのカードだ。」
大和 「腹痛い……。」
麗花 「もう。男なんだからしっかりしなさい!」
大和 「誰のせいだと思ってんだ……。」
つくづく麗花を助けたのはミスだったんじゃないかと思う。
コイツは一度、他人の痛みを知るべきだ。
麗花 「……で、どうする?」
大和 「何がだよ……。」
麗花 「今帰ったらおばさん達に見られちゃうし……。」
大和 「ああ……大騒ぎしたもんな。」
派手にやってしまった。
窓ガラスは粉々だし、窓枠に至っては完全に粉砕。
麗花 「だから……一旦本部に帰ろ。」
大和 「本部?」
麗花 「話はそこで。博士が動いてくれてたら大和のカードもあるかもよ?」
大和 「そうか……今は豹なんだっけ。」
麗花 「それと……戦士になった理由。聞かせてもらうからね。」
……言えない。
麗花を守ろうとして……なんて絶対に言えない。
麗花 「電車やバスは……今の大和じゃ無理か。」
大和 「豹が乗ってもいいんなら大丈夫だな。」
内心……ワクワクしてはいた。
あの退屈な日常から抜け出せたのだ、と。
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