2569人が本棚に入れています
本棚に追加
麗花 「あぁん……スベスベで手触りいいのに……。」
隼人 「僕も触りたかったなぁ……。」
残念そうに言う二人。
ていうか、麗花の俺を見る目がいつもと違うんだが。
大和 「頭はもう撫でるなよ。」
麗花 「じゃあ……アゴ?」
大和 「頭もアゴもダメだ!ていうか猫みたいに扱うな!」
マジでペットみたく扱われそうで怖い。
泉 「豹は猫科……あながち間違いでは……」
大和 「俺は人間だ!」
凛 「あーハイハイ。博士が来たわよ。」
凛さんが手を叩いて場を収め、奥の扉が開いた。
すると、白衣を着たいかにも博士って感じの老人と、白いワンピースを着た少女が現れる。
仁 「久しぶり博士。前に会ったのは麗花ちゃんが入った時だったかな?」
葛西 「そうだったかな……。いやぁ……研究に没頭すると時が経つのもあっという間での。」
大和 「あれが……博士?」
麗花 「そう。隣の子が孫の静香ちゃん。」
大和 「へぇ……清楚な感じで、少なくとも麗花よりはタイプ……」
ガン!!と後頭部に衝撃。
当たったのは麗花の拳。
凛 「あらあら。乙女心ってモンを分かってないわね。」
大和 「いてぇ……。」
頭には大きなたんこぶ。
そんなに本気で殴らなくても……。
葛西 「まあ、とにかく。我々は大和君を歓迎するよ。」
大和 「ありがとうございます。」
葛西 「これからについて、少し話がある。ちょっとばかり付き合ってくれんかの?」
大和 「分かりました。」
博士に誘われるまま、二人の出てきた通路に向かう。
葛西 「さて……何から話そうかの。」
薄暗い通路を歩く。
まるで洞窟のようだ。
葛西 「まず……君は今までの日常には戻れない。」
大和 「はい。」
葛西 「さっぱりした返事じゃの。とても高校生とは思えない順応性じゃ。」
大和 「誉めてるんですか?」
葛西 「誉めているし、貶してもいる。君は今までの者とは少し違うようじゃ。」
不意に博士が歩みを止める。
どうやら目的地に着いたようだった。
最初のコメントを投稿しよう!