疾風の襲撃者vs漆黒の獣戦士

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大和 「戦士になる……?」 葛西 『どうだろう?もちろん無理にとは言わないが。』 今まで普通の高校生だった俺に何ができるというのだろう? 大和 「!」 葛西 『どうした?』 大和 「麗花は!?麗花はどうしてる!?」 葛西 『彼女なら……今ごろあの男と戦っておると思うが……。』 俺の心には麗花を助けなければ、という思いしか無かった。 どれだけ人間離れしていようと、麗花は大切な幼なじみだ。 大和 「このカード!どうやって使うんだ!?」 葛西 『カードを持って名前を言うだけ……。名前はカードの裏側に出るハズじゃが……。』 大和 「……よし。」 裏面を見て名前を確認する。 葛西 『待て!発動してはいかん!後に退けなくなるぞ!』 大和 「『黒豹』!シュヴァルツ!」 叫んだと同時。 ドクン!と心臓の脈が強まり、体が熱くなる。 大和 「うっ……体が……。」 葛西 『始まったか……能力の覚醒が……。』 ザワザワと体中に生えてくる黒いスベスベした体毛。 メキメキと盛り上がる筋肉。 バキバキと鋭くなる爪と牙。 大和 「黒豹……ね。カッコイイじゃねぇの。」 そこに立っていたのは黒い獣。 二本足で立つ漆黒の獣人。 葛西 『……ええい。なってしまったモンは仕方ない!麗花の手助けに行ってくれ!』 大和 「了解。」 割られた窓枠に足をかける。 猫とかって、ずっと爪先立ちしてて疲れないのか?と思ってたが、案外疲れない。 大和 「鼻も利くようになったな……。麗花は匂いで辿れそうだ。」 葛西 『行け!漆黒の獣戦士よ!』 大和 「なんか……カッコイイなそれ。」 ケータイを閉じて部屋へ投げ捨てた。 そして、強化された脚で窓枠を蹴る。 物凄い瞬発力でスピードを一気に出し、窓枠は完全に破壊されてしまった。
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