疾風の襲撃者vs漆黒の獣戦士

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麗花 「ああもうっ!!」 男 「ククク……」 夜の公園。 巨大な剣を振り回す少女と、物凄いスピードで動く男が争っていた。 男 「俺のスターシューズの早さについてこられないのは当たり前だ……。」 麗花 「ちょこまかと鬱陶しいヤツ……。」 イライラしていた。 それもそのハズ。 全ての攻撃が当たらないのだから。 男 「さて……そろそろ倒させてもらう。」 麗花 「無理だよ。所詮は早さだけが取り柄の能力……。剣の間合いに入ったらブッタ斬ってやる。」 男 「ククク……。『早さ』は力だ!」 一瞬で姿を眩ます。 スピードが速すぎて目では追えない。 麗花 「!?」 とっさに剣を盾にした。 麗花の読み通りの場所を蹴る足。 男 「ほう……なかなかいい反応だな……。」 調子に乗ってニヤつく。 と、その時。 ドガァン!!と砂埃が舞った。 男 「ぐぁっ!?」 男を直撃した黒い流星。 それは男をぶっ飛ばした後、ムクリと起きた。 麗花 「新手!?」 見覚えの無い乱入者に剣を構える麗花。 大和 「あー……この姿じゃ分かんないか。」 麗花 「その声……大和!?」 唖然とする。 目の前の獣が幼なじみなど、一瞬で理解できる方がおかしい。 大和 「初めてだったから加減分かんねーわ。もしかして死んだ?」 麗花 「ううん。そんな弱くは……って気絶してるし。」 獣化によって強化された脚力。 それに嗅覚も強化されていたお陰ですぐに追いついた。 麗花 「……で?」 大和 「……何?」 少しイラッとしたような顔をしながら言われた。 助けに来たんだから嬉しそうにしてくれればいいのに。 麗花 「その姿は何?」 大和 「カッコいいだろ?」 麗花 「うん。カッコいいし毛並みもスベスベだけど。ていうかとりあえず戻れ。」 大和 「……どうやって?」 麗花 「カードに能力を返すの。使ったカードは?」 大和 「あー……アレか。家に忘れたんだけど……。」 麗花 「……どうすんの。そのまま町ん中歩く気?」 うーん……きっと、ゴツい二本足で立つ豹がいたらニュースに出れるな。
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