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かわいそうに、身は細り、毛は黒く汚れている。子猫が腕の中から飛び出す前に必死に20分の道のりを走った。走ると手の傷がズキズキ痛むのをこらえながら、自分にも子猫にも「大丈夫!」と心の中で繰り返していた。
家に着き、タオルで汚れた体をそっと拭いてやった。
ホットミルクを飲ませ落ち着かせると、甘えてきて、私の腕の傷を見て悲しげな目で私を見つめてきた。まるで『ごめんね』と言うように。
私は、涙が出そうだった。
「名前何にしようかな?」
茶色い綺麗な毛並み。
「クッキー!クッキーみたいな色だから」
その日から私とクッキーの幸せな生活が始まった。
…3年後…
クッキーがすっかり我が家の一員になった頃、見知らぬ猫が頻繁に来るようになった。どうやらクッキーの彼女みたいだ。その猫をラッキーと名付けた。また、1匹家族が増えた。
「ん…??ラッキーお腹大きいよ!もしかしてクッキーお父さんになるの?」
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