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次の日
いつものように、餌やりに猫の元へ向かった。何故か騒がしい。次の瞬間、私は目を疑った。
「1・2・3・4…5!!」
ラッキーの周りには、5匹の元気な赤ちゃんが覚束ない足で一生懸命乳を探していた。
しかし、喜んでるのもつかの間、小屋の奥に2匹の幼い命が横になって動かなかった。命が宿らなかった事を示すようにラッキーの表情は暗い。
「ラッキーよく頑張ったね」
私は、ラッキーを抱き寄せ、たくさんたくさん撫でてやった。2匹の命が実らなかったとしても、辛い思いで5匹もの新しい命を育んだラッキーに
「お疲れ様」
という気持ちを込めて。
ところで父親のクッキーはと言うと、小屋からじっとこちらの様子を伺っている。ラッキーを子猫に取られてしまい、不満げな父親であった。
「クッキーは、今日からお父さんなんだからね!」
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